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平家終焉の地・壇ノ浦と山口の史跡を訪ねる旅1     2008.7/5更新 長府の町並み
平家物語はリズムがよくて面白く、武士のヒーローもの、貴族の優しい物語、仏教的説話など内容が多彩で、特に10代の頃なら、武士の情けや義理人情、あわれの心情が理解でき、情操教育にもいいんじゃないかなと思っています。
 個人的に、山口県阿弥陀寺(現・赤間神宮)に伝わる「長門本 平家物語」の特異性について勉強したことがあるので、いつか平家終焉の地、壇ノ浦に赴き、安徳天皇を祀る赤間神宮に行きたいと思っていました。
 念願かなって2007年の5月、山口県に行ってきました。


■赤間神宮
 壇ノ浦の合戦で、二位の尼に抱かれて入水した8歳の安徳天皇を祀っています。
竜宮城を思わせる朱の色が鮮やかで、華やかな水天門が印象的です。
 しかし、それとはまったく対照的に、かつての旧阿弥陀寺の風情を残していると思われるのは、境内左手奥の一画。
そこには安徳天皇陵と平家一門の墓、そして小泉八雲の怪談であまりに有名な「耳なし芳一」の像を安置する芳一堂がかたまっています。

  「耳なし芳一」の話は子供心に強烈で、しばらく怖さの余り眠れなかったほどですが、まさにここがその場所だなんて、その怖さに結びついて芳一像を直視できません…。ちょっと怖い…。

 しかも、まるで無縁仏のように小さくて粗末な墓石に「これが、あの栄華を極めた平家一門の墓なのか…」と思わずあわれをさそわれます。
 それにしても、この一画だけが、暗く、ひゅ〜っと霊気が漂っていて、私の前に手を合わせていたおじさんが去ってしまうとき「ああ、私を残して行かないで…」と思ってしまい、お墓に手を合わせて早々に立ち去りました。

 今でこそ、華やかな社殿が建っていますが、旧阿弥陀寺だったころはどれほどさみしいところだったか偲ばれました。

すぐそばの宝物殿に入ってゆっくり拝観し、貴重な資料を拝見しましたが、やっぱり私だけだったので、ずっと怖かったです。



■壇ノ浦
その日は快晴で、壇ノ浦は非常に凪いでいました。
座って海を見やると、目の前のこれほど穏やかな海が源平の大きな決戦の舞台になったことが不思議なほどです。
驚くほど対岸の福岡県門司区は近く、当時、両岸から多くの人が源平の合戦を観戦したに違いないと思いました。
海が赤い旗で埋まった、という情景を想像し、平家の滅亡という歴史の悲劇に思いを馳せました。
飽きることなく眺めた海は、どこまでもどこまでも穏やかでした。
                               (2008.6.15 )
その他、旧下関領事館、世界一のふぐ像のある亀山八幡宮、日清講和記念館に行きました。






















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