■ウィルソン株〜縄文杉
ほとんど雑誌にもパンフレットにものっていないけど、ウィルソン株を過ぎたところが一番の難所だったのだ・・・。それまでとは段違い。キツイ!急な、登り、登り。心臓バクバク、呼吸はハアハア。脈拍は一気に上がって血管切れそう。ま、まずい・・・失敗だ。友達のようにジャージにすればよかった。汗でべっとりしたズボンは足をまげるたびにクキーっと抵抗が大きい。ここからは足の筋力の勝負みたい。友達はさすが女子サッカー部に在籍していただけあって健脚だ。脚力のない私は急についていけなくなる。足が重い。ズボンの膝の上の方をつかんで腕の力で足を引っ張り上げたりしながら登る。すでに目はうつろ。頭はモウロウ。
『甘かった。どうしよう・・・これが1時間続くとしたらもう駄目かも。吐くかも・・・』と真っ青。友達はサクサク登る。呼吸も乱れないし、それまでとペースが変わらない。おそるべし。
すぐ見えなくなる(お〜い、置いていかないで〜!!まってええ・・・)。心で叫ぶけど、もうしゃべる余裕もない。ほんとにどうしようかと思いました。でも、きつかったのはここだけ。上から友達の声。
「おーい、もう下りだよおー。」「助かった!」
あとは登りと下りが交互にあるので、平坦な道と下りで回復することができました。途中ヤクザル出没。
ドキドキ。異常に猿が怖い私は、どいてくれるまで物陰に隠れて待つ。ひたすら道なき道をよじのぼり、下る。途中下ってきた学生さんにあとどのくらい?と聞くと、「30分くらいですよ。」という返事。私たちなら40分かそれ以上か。あと30分と思ってそれより遠かったらいやなのであまり考えずにひたすら進む。大王杉、夫婦杉(見落としやすい)を越えてまだ歩く。難所を越えても
やっぱりなかなか大変。もう「キノコ発見!」などと言う余裕はない。
すでに思考力を失い、無表情にひたすら歩くマシーンになっていたと
ころ、一人のお姉さんと擦れ違った。「あと5分くらいですよ。」と言わ
れ、「わーい」と色めき立って急に元気になる。 |
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